今回ご利用いただくクーポン配布サービスは、実は SORACOM が提供するサービスの一つである
SORACOM Endorse(エンドース)の特徴を活かしたサービス構築の例にもなっています。
そこで SORACOM Endorse についても簡単にご紹介します。
SIM を用いたモバイルデータ通信においては、SIM を搭載したデバイスとドコモの設備との間の無線区間において、 強力な相互認証を行っています。
つまり、デバイス側から見るとドコモの設備がたしかにドコモの設備であること (すなわち悪意を持った第三者が偽装した設備ではないこと)を確認し、 一方でドコモ側の設備から見るとデバイスに搭載されている SIM が本当にドコモが発行した SIM であること (悪意を持った者が偽装した SIM でないこと)を確認します。 この認証結果の情報(すなわち SIM が不正ではないという情報)は、従来は第三者が利用することができませんでした。
SORACOM Endorse は、そのような SIM の情報を、第三者の方であっても正しい情報であると確認していただけるサービスです。
Endorse という単語は「保証する」「裏書する」というような意味ですが、SIM のもっている ID などの情報が 正しいということを SORACOM が保証するサービスといえます。
SORACOM Endorse の使い方を上の図で説明します。
この SORACOM Endorse を使って、私たちがどのようにしてクーポン配布サービスを構築しているかというと、概略は以下のとおりです。
このような仕組みにより、本誌付録の SIM を持っている人だけにクーポンを発行し、それ以外の SIM を持っている人や SIM を持っていない人にはクーポンを発行しない、ということができます。
このクーポン配布サービスと同じように、読者のみなさまも SIM の ID を確認したい(特定の SIM のみにアクセスを許可したい)といった用途に SORACOM Endorse をご活用いただくことができます。
たとえば、以下のような応用例が考えられます。
他にもたくさんの応用例が考えられると思います。
みなさまもぜひ面白い・役に立つ応用例を考えてみてください。
【 Endorse を用いたサービス構築をお考えの開発者の方へのご注意 】
Endorse の認証トークンの用途によっては、上記の他にも追加のセキュリティ確保が必要になる場合があります。
安全な Endorse の使い方に関して、近日中に詳細ドキュメントを開発者サイトに掲載する予定です。
次の記事では、データ転送支援サービスの SORACOM Beam を使ったプロトコル変換について解説します。引き続きお試しください。